変えられないものと、変えられるもの

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 今月末、千葉から仙台へ引っ越すことになった。

結婚して初めてこの部屋に来てから、はや5年目。「まだ転勤はないかな〜」と思っていたところへの辞令に、夫婦ともに衝撃を受けた。転勤族って本当にこうやって突然転勤しないといけないんだ、と今更ながらに思った。

 

1ヶ月で夫が仙台に赴任するので、そこに合わせて家族も動こうと、慌てて物件探しを始めた。ちょうどいい価格帯で、ちょうどいい古さの物件がなかなか見つからない。「駅近」「内装が綺麗」「鉄骨造り(夫曰く、音が響かないらしい)」とお互いに条件を上げ、いくつか候補を絞り、娘たちを連れて仙台まで物件を見にいった。

 

雨粒が地面とぶつかって弾けるような土砂降りの中、候補を次々と内覧したものの、どれもいまいちパッとしないのだ。

そもそも部屋のクリーニングがされていなくてお風呂場や壁に黒カビがびっしり、なんて部屋もあれば、部屋自体はまぁまぁだけど駅から遠いとか、内装はきれいなんだけどキッチン周りが狭いとか・・・。

これといった決め手がなく、候補にあげた物件を全て回っても「う〜ん」と頭を捻って決められなかった。

 

家賃を上げたりと条件を変えてもう一度探しなおすことも考えたが、夫は仕事の引き継ぎで忙しく、私1人で2人娘を連れて物件探しも難しい。

帰りの新幹線の時間が迫る中、移動する車の中で夫とボソボソと相談し、最終的には駅から近く、内装が綺麗な部屋に決めた。

部屋のカビや立地条件は自分では変えられないが、キッチンの狭さは工夫次第でなんとかできるはず。そう腹を括ったのだ。

 

しかし、ふとした時に「本当にあの部屋でよかった?」という不安が湧いてくる。

やっぱり納得できるまで部屋探しをすればよかったんじゃないか、最初からもっと条件を広げて探しておけばよかったんじゃないか、そんな考えが頭を何度もよぎっていく。

その度に「いやいや」と首を振る自分と、「後悔したらどうしよう」と不安がる自分と、両方がぶつかり合うのだ。

 

そんな不安を母に話した。私と同じ転勤族で、子どもを3人連れて会社の社宅を転々とした母は胸を張って「大丈夫!」と励ましてくれた。

「あっちの棚をこっちで使ってみようとか、色々工夫して考えるの、楽しいから」と言われて、最初にこの家に来た時もそうだったなぁと思い出した。

 

今住んでいる社宅も、最初は自分たちの暮らしとどうやって部屋を合わせていこうかと頭を捻ったものだ。模様替えをしたり、家具の使い方を変えてみたりと、試行錯誤の繰り返しだったっけ。

今は住み心地のいい我が家でも、最初から大満足の部屋だったわけではなくて、時間をかけて少しずつ自分達に馴染ませていったのだ。この4年の経験は、きっと新居にいっても私の力になってくれる。

 

何もかもが完璧なものって多分なかなか出会わない。

それでも選ばないといけない場面にぶつかった時、私たちはきっと自分の中の優先順位と真剣に向き合うのだろうと思う。

自分の力で変えられないことにぶつかった時に、自分で変えることができるものに気付いたりもする。

環境を変えるのはエネルギーがいるけど、こうやって自分を掘り下げる機会にもなるんだなぁと今回学んだ。

 

さて、最近変わったこと、変えてみたことはありますか?

 

今日もお互い、良い一日を!!