自分のペースで前に進めたらいい

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小学生のとき、毎年6月あたりに体育のテストがあった。

50m走や20mシャトルラン、反復横飛び、握力や腹筋など、毎年決まった種目を計測する。

全種目の評価がAの子どもには親指の先程度の小さな“Aバッチ”が配られるのだが、当時の私はそれが欲しくて欲しくてたまらなかった。

小学校の時って「運動ができる=すごいやつ」という方程式が成り立っていたから、私も「すごいやつ」の1人になりたかったのだ。

 

といっても具体的にどうすればAバッチに辿り着けるかどうかはわからなかったから、1年間真面目に体育の授業を受けて、外で遊んだ。

持久走や20mシャトルランなど持久力系はいつもA評価だったから、苦手な50m走や走り幅跳びなどのテストを友達と一緒に練習した。

そうしてやっと6年生の時にAバッチを手に入れたときは、それはそれは鼻高々だった。「これで私もすごいやつだ!」と、名札に光る小さなバッチを誇らしく思った。

 

中学、高校と進学すると、今度は「勉強ができる=すごいやつ」と評価基準が変わった。

今度は勉強の成績をあげようと、あれこれ頭を捻った。

得意科目はなにもしなくても点数が出るから、苦手な科目の勉強時間を増やして対策した。

トップの成績にはなれなかったけど、5段階評価の「5」が揃った成績表がもらえたし、希望していた学校にも進学できて、「私ってやるじゃん!」と内心ドヤっていた。

 

あれ、私の得意なことってなんだっけ?

でも、一歩社会に出てみたら点数では評価されなくなる。

総合点が高い人はもちろん優秀だ。でも、テレビや雑誌に出てくるすごい人ってなんでも出来る人じゃなくて、自分の長所や好きを徹底的に伸ばしてきた人ばかりのような気がしている。

 

総合点を上げることばかり気にしていた私は、人と比べて得意なことや、突出して好きなことがなにもない。「私はこれができます!」と胸を張れることが、なに一つ思い浮かばなかった。

こうなると分かっていたなら、もっと自分の得意なことに集中したのに・・・と思っても後の祭り。今、30歳を目前に、「私の好きなこと、得意なことってなんだっけ?」と記憶を掘り起こして、長所を育てようとしている真っ最中である。

 

自分のペースを守れば、きっと結果はついてくる

体育のテストで、持久走だけはいつも上位だったなぁと思い出した。

笛と同時に周りのみんなが一斉に駆け出していく中で、毎回私は「自分のペースで行こう」と余裕をもって走り出すのだ。

周りがどんどん離れていくのを見ると焦ってペースを早めたくなるけど、「落ち着いて」と自分に言い聞かせてペースを守る。

短距離走だったら一気に走り抜けられるけど、長距離はペースが早すぎると息切れして失速してしまう。だから焦らず、自分のペースで走り続ける。

そうして走るうちに1人、また1人と抜いていくと、「よしよし、私はこのペースで大丈夫!」と自信が出る。

そうやって自分のペースを守ればちゃんと結果が出るということを、子どもの私は分かっていたのだ。

 

 

大人になるにつれて人と自分を比べてばかりで、自分のペースを守ることの大事さをすっかり忘れていた。

多分、今も持久走と同じでいいんだと思う。

専業主婦になってから周りと比べて自分が止まっているように感じて焦りがある。

けど、子育ての傍ら細々とやってみたいことに挑戦したりと、少しずつ前には進んでいる。

周りの友人知人や、話したこともない有名人と自分を比較して、「私は全然だめだ・・・」とネガティブモードになることもしょっちゅう。

でもきっと今は、グッとこらえて自分のペースを守る時なんだと思う。

人生は長い。焦って猛ダッシュしたところで、ゴールに辿り着く前に息切れしては意味がない。

やってみたいことを、今の自分でできる範囲でやってみる。それを続けてみる。

自分で少しずつ積み上げてきたものが、そのうち「何か」としてきっと形になる。そう信じて前進し続けることが、しあわせになるための近道なのかもしれない。

 

 

さて、あなたは自分のペースを守れてますか?

 

 

 

今日もお互い、良い1日を!