2歳の娘にイライラ限界!イヤイヤ期を乗り切るために必要なこと

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イヤイヤ期真っ盛りのうちの長女サナ。2歳を過ぎた頃から「やだもん」と拒否をするようにはなってきてはいたが、2歳半をすぎた頃から「やだ」と「やってみたい」がごちゃ混ぜになってきた気がする。言葉も通じるようになって、全力で自分の意見を通そうとする姿に成長を感じてはいるものの、こう毎日付き合っているとしんどさの方が大きい。「もう、ママ知らないからね!」と声を荒げては、またやってしまった・・・と後悔の繰り返し。いつまでこの生活が続くんだと、子どものいない世界に行きたいと何回思ったことだろう。子ども相手にイライラを抑えられない自分は、理想の母からは程遠い。

毎日をイライラせずに、娘の癇癪を和やかに受け止められるようになるには、どうしたらいんだろう?先の見えない生活から抜け出そうと日々あれこれ調べてはいるが、まだ答えを見つけられていない。

 

私だって頑張っている、のに・・・

先日、とうとう限界がきてしまった。

夫と長女、次女と家族総出で週末の買い出しに出かけた時のこと。いつもなら必要なものを手早く買うだけなので1時間ほどの外出なのだが、ストレスが溜まっていた私は「春服が見に行きたい」と夫にお願いしていた。今日はお昼も外で食べるつもりで、のんびりウインドウショッピングしたい。

しかし、というか案の定、長女は自分の好きなようにしか動かない。抱っこ、歩きたい、あっち行く、カートはいや、やっぱり抱っこ。

夫に任せてお店を巡ろうとしても、私がそばを離れると「ママはー?」と気にするらしく、すぐについてきてしまう。服屋さんなんて娘とってはおもちゃの宝庫。置いてある値札や小物、手が届くものはなんでも触るし「みてー」と持ってきてしまって、のんびり自分の見たいものを見る余裕なんてない。

 イライラが溜まってきた私は、愚痴を吐くつもりで夫に言った。

 「あの子いつもあんな感じでいうこと聞いてくれないし、本当にイライラしてどうしようもないんだけど。どう思う?ダイちゃんイライラしない?」

自分の行きたい方向にずんずんと進んでいく長女を2人で追いかけながら、夫は困った顔をした。

 

「だって、家族だから・・・」

 

 

 

最初は言葉の意味が、よく分からなかった。夫は娘を追いかけて行ってしまったので、すぐ「どういうこと?」と聞き返せなかった。でも、2人の後を追っていく中でブワーッと湧き上がってきた感情は、怒り。「家族だから、イライラするわけないってこと?」

多分、私は夫に「大変だよね」って共感してほしかったんだと思う。でも夫の答えは「イライラなんてしないでしょ」とでもいうような、反対の言葉。私が悪い、そう言われたような気がした。

 

もういいや、頑張るのやめよう

「もういい。帰ろう」 

夫にそういうと、先を行く娘を捕まえて「ママ帰るからね」と言い捨て、足早に駐車場に向かった。私の顔色が変わったのに気がついているんだろう、娘は「いかなぁい!」と叫びながら、それでも後を追ってきた。

そのまま駐車場についたが、娘は車に乗ろうとしない。「いうことを聞いてくれない子は、お出かけに連れていけないの」と強引に車に乗せることはできたが、あれがやりたい、これに行きたいと意味が分からない要求を泣き叫ぶ。

イライラを募らせる私の横から夫が娘に「ご飯、お店で食べたかったんだよね。」と声をかけると、「ごはん食べたかったーーー!」と叫び出した。どうやら、夫が娘に「お店でご飯食べようね」と言っていたらしい。それなのに私が帰ろうと言うから、娘が怒ったと言うことだろう。

「それなら帰らずにお店でご飯食べようって、言ってくれたらよかったのに」と夫にもイライラ。娘が泣き叫んでいるのも、それにイライラするのも、この人は何も言わなくせに、全部私のせいにする。いつだって、私が悪いことになる。

泣き叫ぶ娘と激怒する妻というカオス状態に、「しばちゃん先に帰っとく?俺ご飯食べさせて帰るから」と夫が言い出した。1秒でも早くこの場から離れたかった私は即座に「そうする」とうなづいた。夫と娘は車で、私は次女を連れて電車で先に家に帰ることにした。

 

誰か助けて欲しい、でも誰に頼ればいいの?

 怒りに煮えたぎりながら、帰路を足早に進んだ。家についても休む暇なく、ぐずりはじめた次女のお世話。授乳しながら、我慢していた涙を出そうと決めた。一度泣いてみると、嗚咽が出るほど泣けた。それでも気持ちが落ち着かない。誰かに話を聞いて欲しいが、誰に頼ればいいんだろうか。悩んだ末、母に電話した。

 

「はいはい」

 

電話に出た母に泣きじゃくりながら言えた一言は、「長女が・・・かわいくない」だった。

 

「あらぁ、どうしたの!」

私の様子から何かを悟ったのだろう、母は明るい調子で私の話を聞いてくれた。頻繁にテレビ電話をしている母は、普段の娘の様子も知っている。長女がいうことを聞いてくれないこと、何一つ自分の思い通りにいかないこと、夫に対する不満や、夫に頼りたいのに分かってもらえないこと。涙声でポツポツと話す私の言葉を、母は辛抱強く聞いてくれた。

 「そりゃイライラもすると思うわ。あんたよく話聞いて頑張っている方だと思うよ」

 母に励まされて、少しずつごちゃごちゃの心がほぐれていく。しばらくすると、母の冗談に「ふふっ」と笑えるようになっていた。

 

「あんたはこうしなきゃっていう理想が強いけど、別にサナちゃんにだって、イライラする姿を見せてもいいんよ。ダイちゃんにもね、1回ブチ切れてみたらいいじゃない!いい顔ばっかりしなくてもいい。そんで、ちゃんと2人と話をして、それで、色々とやってみて試行錯誤しながら、ちょうどいいところを見つけていくしかないんじゃない?」

 

母のいうように、頭で思い描く「こうなりたい」という理想を追い求めて、結局自分を苦しめていただけかもしれない。今の私に必要なのは、目の前の家族と向き合って、自分も夫も娘もみんなが納得できる暮らし方を考えること。まずは夫とちゃんと話をしよう。そう決めて、母との電話を切った。

 

夫と娘からの、突然のプレゼント

その日の夕方。夫と娘が帰ってきたと思ったら、何やらゴソゴソと話をしている。間もなく、娘が赤い箱を両手に走り寄ってきて言った。

 

「ママいつもありがとう」

 

こんなにも胸に響く瞬間は、人生でそうないかもしれない。

 

いつもイライラして冷たい態度で当たって、今日だって放り出して1人で帰ったのに。娘はそんな私にいつだって最大級の愛情を向けてくれていた。それに気づかないフリをして、甘えていたのは私の方。ちゃんとお母さんできなくて、いいお母さんになれなくてごめんね。

 娘は困ったような、驚いたような顔で私を見ていた。喜ぶと思ったのに、どうして泣いてるんだろうって顔。励まそうとしてか、「パパとチョコかったのよ」「ママにプレゼントなの」とニコニコと教えてくれた。

 

涙を拭って、「ママ、とっても嬉しい!」と娘を抱き寄せた。頬を合わせるとポカポカと温かい。「やめてよー」と嬉しそうに身体を捻る娘に、何度も頬を擦り寄せた。

片付けをしてやってきた夫にお礼を言って、「ごめんね、キャパがいっぱいみたいで・・・」と謝ったら涙が溢れてきた。夫は慌てて私を抱きしめて、まるで娘をあやすみたいに「いいよいいよ。大丈夫、大丈夫」と体をさすってくれた。

 私が大事に思うように、私のことを大事に思ってくれる人たちがいる。「どうせ分からない」とそっぽを向いてたのは、私自身。ちゃんと、話をしよう。

 

もっと1人の時間が欲しい。夫にそう伝えたら、夫は二つ返事で「いいよ」と答えてくれた。「1人の時間は欲しいけど、それでダイちゃんが無理するのは嫌だ」という気持ちも素直に伝えてみたら、夫は「サナちゃんと一緒にいるのは全然しんどくない!」らしい。平日は仕事で遊ぶ時間が少ないから、平日はいっぱい遊びたい。だから子供達の世話をするのは全然いいよとのこと。なんだ、変に気を遣わなずに、最初から素直に話をすればよかったのか。

とりあえず週末の買い出しは夫と長女で行ってもらって、私と次女は留守番してみることにした。家族みんなで一緒に行動するのは私もストレス溜まるし時間かかるから、長女の担当は夫、次女の担当は私と別行動してみようとも話した。これでうまくいくかは分からないけど、少しずつ試していくしかないなと思っている。

 

「母にだって嫌なことはある」それでいいのかもしれない

イヤイヤ期は人生で最初にやってくる反抗期。かわいいだけだった我が子が、実は自分とは違う人間だった気がつき始める時期でもあると思う。思い通りに進まない毎日は、ストレスも溜まる。ニコニコと優しい母でいたいけど、そうも言っていられない時の方が多い。

でもよく考えたら、子供を産んで母になったからといって、急に完璧人間になれるわけじゃない。イライラするし、怒ったり、悲しんだり、荒れ狂う時だってある。でも、それでもいいんじゃないだろうか。だって、その気持ちも私の一部なんだから。娘が嫌だというように、私にだって嫌なことがある。それを正直に伝えて、お互いにすり合わせながら、少しずつできることとできないことを分けていけばいいんじゃないか。そんな風に考えている。

ただ、娘と一対一だと行き詰まってしまうから、これからはもっと素直に人に頼ろうと思う。ふと視線を上げれば、自分やこどものことを大事に思ってくれる人がいる。同じように悩んで苦しんで、頑張っている人もきっといる。1人じゃない。つまづいて転んで立ち止まってばかりだけど、そうやって少しずつ母としての経験値を上げていけたらいいな。